鍋島直泰様と愛車「イスパノ・スイザK6」

13代 鍋島直泰様(1907-1981)


13代鍋島直泰(なおやす)様は、12代直映公の嫡男。東京帝国大学卒業。宮内庁に式部官として勤め、昭和18年(1943)に家督相続・襲爵し貴族院議員となる。全日本アマチュアゴルフ大会三連覇など名ゴルファー、蝶の研究・収集家としても知られる。
夫人は朝香宮鳩彦王第一王女 紀久子様。

イスパノ・スイザK6

直泰様の愛車「イスパノ・スイザK6」は、1935年フランス製の高級車。ベアシャシーの状態で輸入し、ボディは直泰様が自らデザインされ、日本の職人が製作・架装を行った。
当初の車体の色はダークブルーと溜色のコンビネーションだったが、戦後にベージュに塗り替えるなど、変更を加えながら45年にわたり愛用されていた。
昭和56年(1981)、直泰様のご葬儀では、ご遺骨を乗せてご自宅の松涛と青山斎場との間を走った。
その後、佐賀県立博物館に寄託されていたが、平成19年に鍋島家よりトヨタ博物館へ寄贈。現在は同館にて動態保存の上で展示されている。

イスパノスイザK6(トヨタ博物館HP)
 

カーマスコット

 
カーマスコット「勝利の女神」・「大トンボ」
昭和3年(1928) ルネ・ラリック 作
13代 鍋島直泰 所用
(大トンボ)高21cm 幅20cm


イスパノ・スイザに装着されたカーマスコット(車の先端部のラジエーター・キャップに装着する装飾品)で、フランスのガラス工芸作家 ルネ・ラリック(1860-1945)の作。
ラリックは1925年にハヤブサのカー・マスコットを制作したのを皮切りに、猟犬、馬、ツバメ、彗星など約30種類を発表した。なかでも鋳型成形独特の彫刻的フォルムで車社会が始まるスピードの世紀を象徴する「勝利の女神」はラリックの代表作の一つ。
これらのカー・マスコットは、目的地に到着する直前に装着されたという逸話が残るほど大切に扱われていた。令和4年、鍋島報效会よりトヨタ博物館に寄贈し、現在は同館にて展示されている。

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