2013年5月 雨中の伽

雨中の伽

うちゅうのとぎ
堤範房 著 文化9年(1812)自序

竪25.0㎝ 横16.6㎝/紙本墨書 冊子装鍋島家文庫 070-2

佐賀藩での文武について、9代藩主・鍋島斉直の時代までの藩主の嗜み具合や藩内での流行などを記したもの。文(文学・楽・書・画・和歌・連歌・俳諧・猿楽・茶道・生花・琴・三味線・歌舞伎など)、武(兵法・弓術・鎗術)などについて48項目と附録からなる。

生花については、去風流をはじめ藪内家流、相阿彌流、源氏活花、池坊流、一統流、石州流、宏道流、千家古流、古新流と、10種の流派があったことが知られる(8代藩主・治茂の御代は8種)。

本資料によると、去風流は嘉瀬町妙福寺の3世・花兮庵寒岸が京都にて習得し、最初は白山(佐賀市白山町)あたりの人々(生田彦右衛門、富永元民、八田武兵衛、吉浦彌三郎ほか)が門弟となった。のち、8代藩主・鍋島治茂が向陽軒にて祇園会を催す際には去風流の生花を仰せつけ、佐賀城三の丸でも上覧が行われた。さらに天明4年(1784)天満宮の菅公875年忌の御祭の折には、佐賀城下の六座町天神(北面天満宮)にて出会が行われたことが記されている。


 

 

展示案内

本品は、松旭堂露山関係資料の寄贈を記念した企画展「生花・去風流 -最後の家元・松旭堂露山」展(平成25年5月20日(月)~7月20日(土))に出品いたします。

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