2020年4月 佐賀市上高木出土銅鉾

佐賀市上高木出土銅鉾

さがしかみたかぎしゅつどどうほこ
弥生時代後期 青銅製 佐賀市高木瀬西(上高木) 出土 佐賀県指定重要文化財
全長85.6cm 最大幅12.1cm

明治34年(1901)、現在の佐賀市高木瀬西の上高木で、水田を2.4mほど掘り下げた地点で発見された2点の銅鉾のうち1点。他の遺物を伴わず、銅鉾だけが単独で埋納されていたという。
形状と大きさから
祭祀用の広形銅鉾であり、弥生時代後期のものとみられる。この頃は鉄器が武器の主流となり、青銅器は本資料のような祭器に特化するようになった。
全体は緑青で覆われ欠損も大きいものの、佐賀県において広形銅鉾の出土例は少なく、また単独で埋納されていたことから、この地域における弥生時代後期の祭祀形態や社会のあり方を考える上で貴重な資料であるとして、昭和55年に佐賀県重要文化財に指定された。
本資料は昭和3年(1928)10月、発見者より徴古館に寄贈されたものである。郷土の文化の淵源を探究することを目的として12代鍋島直映公により昭和2年に創設された徴古館は、現在の県立博物館の役割を担い、郷土の歴史と文化を紹介する中で考古資料の展示も行っていた。
参考文献:松尾禎作「高木瀬村上高木の銅鉾出土地に就て」
『佐賀県史跡名勝天然記念物調査報告 第五集』昭和11年、佐賀県)


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