収蔵品紹介

桜田御屋鋪差図

さくらだおやしきさしず

江戸桜田の佐賀藩上屋敷の差図。佐賀藩の江戸屋敷は多少の変遷はあるが、上屋敷は桜田、中屋敷は溜池、下屋敷は麻布に置かれ、桜田上屋敷は歴代にわたり当主夫妻の居宅として用いられた。ところが文政8年(1825)、このとき世継ぎだった鍋島直正 (9代藩主鍋島斉直の嫡男)の正室として11代将軍徳川家斉の娘である盛姫を迎えるために御守殿門の築造など大規模な増改築が行われ、ここが世継ぎ夫妻の住まいとなった。上屋敷はのち安政2年(1855)の大地震により被災するが、本図は被災前にあたる嘉永3年(1850)に作成されたものである。
表御門は東側にあり、敷石を通じ御式台から御殿に入る。そのほか北側には広い長局をもつ北御殿(御広式)があり、この頃にはここが直正継室の筆姫と直正長女の貢姫の住まいとなっていた。西側には西御殿(西奥)があり、西北の一角には学問所の明善堂も見える。

嘉永3年(1850)


縦180cm 横180cm


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